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2021年3月の5冊


 今月のテーマ:ロマネスク


ロマネスク
      遠くに出かけることが困難な今、せめて読書を通じて、異国の風土や文化に思いを馳せられたらいいですね。冷たいはずの石でできているのに、なぜか温かみが感じられるロマネスク様式の聖堂。聖なるはずの空間で、柱頭から私たちを見下ろす怪異なモンスターたち。そんな素朴ながらも不思議に満ちたロマネスクの魅力を伝えてくれる本を集めてみました。もし興味が湧いたら、いつか現地を巡り歩かれてはいかがでしょうか。

(P.N.yamatogawa)


『ロマネスクとは何か : 石とぶどうの精神史』 [請求記号:080/C44/1525]

酒井健著. 筑摩書房, 2020 (ちくま新書:1385).

「ロマネスク」は「ローマ風の」という意味ですが、様式上の見た目だけでなく、古代ローマ時代の信仰や世界観が12世紀にまで息づいていたことを教えてくれます。

『図説ロマネスクの教会堂』 [請求記号:523//355]

辻本敬子, ダーリング益代著. 河出書房新社, 2003.

ロマネスク教会の建築構造や扉口、柱頭などの装飾を、豊富な図版や写真を駆使して解説してくれます。フランスを中心に、ドイツのロマネスクの紹介例も豊富です。

『スペインの光と影 : ロマネスク美術紀行』 [請求記号:702.36/U63]

馬杉宗夫著. 日本経済新聞社, 1992.

スペインのロマネスクは、中世イスラムの支配が比較的短期間に終わった北部に集中しています。カタルーニャやサンティアゴ巡礼路のロマネスクを著者と巡ってみませんか。

『フランス・ロマネスクへの旅 : カラー版』 [請求記号:080/C64/2102]

池田健二著. 中央公論新社, 2011 (中公新書).

フランス各地に現存するロマネスク教会の代表例を、周囲の風景や歴史的な背景を交えて紹介しています。柱頭などの彫刻に表現された図像の解説も興味深いです。

『ロマネスク美術革命』 [請求記号:080/Sh61/742]

金沢百枝著. 新潮社, 2015 (新潮選書).

ジローナ大聖堂(スペイン・カタルーニャ)にある「天地創造の刺繍布(タピスリー)」に魅せられた美術史家が、ロマネスク美術の魅力をさまざまな側面から解説してくれます。