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2022年1月の5冊


 今月のテーマ:声をかたちに・・・


声をかたちに
      「本の役割って何だと思う?」、こう聞かれたらあなたは何と答えますか? それぞれがいろいろな回答を考えるかと思いますが、私なら「今にもかき消されるかもしれない人々の小さな声をすくい上げ、未来に残し伝えていくこと。」だと答えます。 今回はそんなさまざまな「声のかたち」たちの中から5冊を紹介していきたいと思います。本の中に刻まれた一つ一つの声に耳を傾けてみませんか。

(P.N.犬)


『ぼくは川のように話す』 [請求記号:726.6/Sc9]

ジョーダン・スコット文/シドニー・スミス絵/原田勝訳. 偕成社, 2021

お父さんが教えてくれた、ぼくの「声のかたち」…。吃音に悩む少年の心を救ったあの日の出来事が、輝きとともによみがえる。著者の実体験を元にした絵本。

『なくなりそうな世界のことば』 [請求記号:802/Y92]

吉岡乾著/西淑イラスト. 創元社, 2017

HIRAETH(ヒライス)、GUIKA(グイカ)、IYOMANTE(イヨマンテ)…その一語一語に何を感じますか? 消えゆく少数言語に出会える一冊。

『ヤングケアラー : 介護を担う子ども・若者の現実』 [請求記号:080/C64/2488]

澁谷智子著. 中央公論新社, 2018

ようやくその存在が広く知られるようになった「ヤングケアラー」。調査を通じて明らかになる彼らの姿、彼らの声から日本における介護の現実が垣間見えてきます。

『最後の秘境東京藝大 : 天才たちのカオスな日常』 [請求記号:377.28/N76]

二宮敦人著. 新潮社, 2016

僕の妻は藝大生、一番身近でありながら最も謎に包まれた存在。そんな彼女が通う東京藝大にいざ潜入。個性あふれる学生達の姿に、僕は驚きつつも惹かれていく…。

『ホハレ峠 : ダムに沈んだ徳山村百年の軌跡』 [請求記号:289.1/H72]

大西暢夫写真・文. 彩流社, 2020

旧徳山村の最後の住人廣瀬ゆきえさん。著者は彼女の足跡を丁寧に追い、記録していきました。村はダムの底に沈んでも、彼女の声はこの本の中で生き続けます。