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2025年5月の5冊


 今月のテーマ:江戸の出版と蔦屋重三郎


edonosyuppan
      蔦屋重三郎(蔦重)は黄表紙、狂歌絵本、浮世絵などを手掛けた江戸時代の版元です。
卓越した才能を見抜く眼力、企画力を持って、山東京伝、喜多川歌麿、東洲斎写楽、曲亭馬琴、葛飾北斎など数多くの作家や絵師を世に送りだしました。
今月は、江戸の流行を捉え様々な出版物で人々を魅了した蔦屋重三郎と、江戸の出版文化に関する図書をご紹介します。

(P.N.ラピス)


画像の出典:浅草庵 作 ほか『画本東都遊 3巻』,享和2 [1802] 序. 国立国会図書館デジタルコレクション


『江戸の出版事情(大江戸カルチャーブックス)』 [請求記号:023//350]

内田啓一著. 青幻舎, 2007.

紙に書いて木を彫り、摺ってできた当時の出版物。古典、戯作、浮世絵、地図などを豊富なカラー図版と共に紹介しています。

『「むだ」と「うがち」の江戸絵本 : 黄表紙名作選』 [請求記号:913.57/Mu15]

小池正胤 [ほか] 校注・解説. 笠間書院, 2011.

江戸で誕生した絵入の読物、黄表紙。恋川春町の 『金々先生栄花夢』をはじめ、5作品の笑いを影印付原文、現代語訳と解説でお楽しみください。

『蔦屋重三郎 : 江戸芸術の演出者, 新版(講談社学術文庫)』 [請求記号:289.1/Ts92]

松木寛 [著]. 講談社, 2024.

版元である蔦重が、江戸の芸術家たちとどのようにかかわり創造的な出版物を生みだしたのか。天災や飢饉、改革など社会背景とともに蔦重の人生をたどります。

『歌麿「画本虫撰」「百千鳥狂歌合」「潮干のつと」(講談社選書メチエ)』 [請求記号:721.8/Ki63]

菊池庸介編著. 講談社, 2018.

大首絵の美人画で有名な歌麿ですが、この「歌麿三部作」と呼ばれる狂歌絵本では、自然の生きものを愛らしく美しく描写しています。

『江戸の出版統制 : 弾圧に翻弄された戯作者たち(歴史文化ライブラリー)』 [請求記号:023.8/Sa85]

佐藤至子著. 吉川弘文館, 2017.

江戸時代にたびたびおこなわれた出版統制。寛政の改革は蔦重たちにどのような影響をあたえたのでしょうか。