歴史文化学科Department of Japanese History and Culture
教員・ゼミ紹介
イスマトフ アジズ
比較文化を専門としており、法や社会を取り巻く問題に関心を持っています。多言語、多文化、多民族国家であるウズベキスタンという国で生まれ、ソ連崩壊を経験しました。ウズベキスタンでは、独立により、制度は大きく変容し、人々の価値観は揺れ動いています。日本においても、グローバル化により、多様な人々がともに暮らすようになり、外国や外国人との関わりの中で課題が生まれています。ゼミでは、これらの課題がなぜ発生し、どう解決していくべきかを、歴史、文化、社会、制度など幅広い視点から学びます。様々な価値観を持つ人々が暮らす21世紀であるからこそ、文献だけで物事を判断せず、当事者の見解に是非耳を傾けてほしいと思っています。
井戸 聡
社会学を専門にしています。社会学が対象とするのは人間と人間のさまざまな関係で、時代的にはいわゆる市民社会以降の近現代ということになります。 ゼミではゼミ生がさまざまなテーマを議論の題材として用意してきます。「カワイイ」「オタク」「若者」「趣味」についての話題から、「環境問題」「過疎化」「社会の犠牲」「権力」についての研究まで硬軟さまざまです。ゼミではひとつのモノゴトに対して常識にと らわれない多元的な見方ができるように、そして知の創造の場となるように、教員と学生が互いに研鑽を積んでいます。
上川通夫
日本中世史(平安時代後期、鎌倉時代、室町・戦国時代) を勉強しています。東アジア・日本列島・地域社会、という3層を念頭に置いて、仏教文化などを検討しつつ、民衆による生きた思想の獲得を探るのが課題です。ゼミでは、日本中世の範囲で、参加者自身がテーマを選びます。政治史・文化史・民衆史など、分野の選択も自由です。先行研究の把握や史料の分析など、本格的な研究を求めます。今から500年から900年前の歴史を探究することを通して、自分の将来や社会の未来を考えてほしく思います。
クラーマー スベン
日本近現代史を担当しています。明治維新以後の地方行政、特に市町村合併の歴史について研究しています。地元住民は市町村合併政策にどのように反応したか、ローカル・アイデンティティなどの住民帰属意識はどのような役割を果たしたか、合併はローカルなレベルでどのように正当化されたか、こんな疑問点をもって市町村合併史の研究を進めています。ゼミでは、国際的な視野を常に意識しながら、史料を基に近現代の政治・行財政・外交・社会・経済・文化など、様々なテーマについて勉強します。史料と参考文献を読んだ上、学生は各自の関心に合うテーマを選び、疑問点を見つけ出します。疑問点を答えることに挑むため、関連文献を探し、適切なものを見つけたらこれも読み、ゼミで成果を報告します。各自の関心から生まれてくる疑問点と成果の報告で卒業論文のテーマが決まります。
柴田陽一
人文地理学、とくに地理思想史を専門としています。いま私たちが生活する空間は、いつどのように生み出され、また、どのように表象・認識されてきたのでしょうか。この〈近代日本の空間編成・空間認識〉が、ゼミの中心テーマです。卒業論文は、人文地理学を中心としつつも、それに歴史学を合わせた視点・方法に基づくものを作成します。そのため、ゼミでは各自が進行状況を報告するだけでなく、全員で課題文献を徹底的に読み込んだり、地域調査や資料調査を実施したりします。私たちが生活する空間の系譜を一緒に解き明かしていきましょう。
内記 理
これまで西北インド(現在のパキスタン・アフガニスタンの辺り)の考古学を中心に勉強してきました。最近は東西文化交渉史に興味を持っています。ゼミでは、考古学遺物などの物質資料に基づいて、歴史や過去の文化について議論をしています。洋の東西、時代を問わず、興味のある時代や地域の歴史や過去の文化についての、物質資料に基づいた自身の論陣を張ってください。それまでに知られていなかった新事実が見えてくるかもしれません。大学生時代は、学問を通じて自己を研鑽するかけがえのない機会です。主体性を持って研究に取り組んでください。教員がそれを手助けします。
服部亜由未
人文地理学、とくに過去を対象とする歴史地理学を専門としています。史料を読み解き、現地を歩いて、地域の人々に話を伺いながら、災害や産業の衰退などの危機的状況に対し、人々はいかに生き延びたのか、組織や地域はいかに存続してきたのかを考えています。また、明治初期の地誌分析に必要なベースマップ(行政界GISデータ)を構築する研究もおこなっています。
ゼミでは、3年で地域調査の心構えと方法を学び、夏休みに特定の地域において各自のテーマで調査を実施し、報告書をまとめます。4年は3年の経験を活かして卒業研究に取り組みます。他にも、他大学との交流や合同調査、資料整理などに参加することもできます。
丸山裕美子
古代国家「日本」の成立と展開、文化の諸相を研究しています。歴史の研究は、史料を読むことから始めます。ゼミでは、奈良時代の正史『続日本紀』や平安時代の貴族藤原道長の日記『御堂関白記』 などを読んでいます。史料に正面から向き合い、 格闘しながら読み解いていくと、古代に生きた人間 の姿が見えてきます。歴史を学ぶ醍醐味を感じます。ゼミ生には、日本列島だけに目を向けるのではなく、グローバルな東アジアの歴史の流れの中で、どのように国や制度が生まれ、社会や文化が育まれていったのかを考えてほしいと思っています。