教育福祉学部の3つのポリシー
教育福祉学部 教育目標
教育福祉学部は、人間の発達を支援する教育の科学と人間の生活の自立を目指す福祉の科学が協力・連携して「成熟した共生社会」の創造に貢献できるような教育と研究を推進することを目的としている。この目的に基づき、教育発達学科と社会福祉学科では、次のような教育目標を掲げている。
教育発達学科は、次代を担う子どもたちの健やかな発達を阻む様々な問題を科学的にとらえ、その解決の方法を習得して、地域社会に生きる子どもの発達を支援するための専門的力量の形成を目標とする。
社会福祉学科は、人の自立能力や意欲を高めるための専門的な知識と技術および社会福祉計画の企画・遂行・評価に関する実践的を習得して、地域社会における様々な人間の共生と、尊厳を保障された生き方の実現を支援するための専門的力量の形成を目標とする。
教育福祉学部 ディプロマ・ポリシー
上記の教育目標に基づき、教育福祉学部では、学生が卒業時に次のような力を獲得していることをディプロマ・ポリシーとする。
<学部共通>
① 教育と福祉を学際的に学ぶことで、人間の尊厳や発達に基づいた価値観を向上させる力
② 教育・福祉の諸問題について、専門性を発揮しつつ多様な人々や他職種と協働して問題を解決する力
③ 教育・福祉の諸問題に関する広い視野からのさらなる探究や問題解決への志と思想
<教育発達学科>
④ 教育の基礎となる人間の発達に関する基礎的な理論と思想
⑤ 子どもの発達を保障するための専門的な知識と発達援助の実践的力
⑥ 心身の発達を阻害する複雑で多様な問題を科学的な視点から把握し解決するための思考力と判断力および表現力
⑦ 小学校教員や保育者等に求められる総合的な専門的力量
<社会福祉学科>
⑧ 社会福祉の基礎となる社会や人間理解に関する基礎的な理論および実践的知識と思想
⑨ ソーシャルワーカーに求められる対人援助の理論と方法および問題解決の実践力
⑩ 社会福祉の計画化に関する専門的知識と設計能力および方法論
⑪ 社会福祉専門職や関連職種に求められる総合的な専門的力量
教育福祉学部 カリキュラム・ポリシー
教育福祉学部では、学部教育の目的と各学科の教育目標に基づいて、以下のような考え方と内容・方法でカリキュラムを編成し、ディプロマポリシーの実現を目指している。
教育課程編成の考え方
教育課程としては、教養教育科目、専門教育科目、愛知地域共生教育の3つの教育プログラムを主体的に学び、人間の尊厳や多文化共生を尊重し、教育発達と社会福祉の諸問題を広い視野から科学的にとらえ解決できる実践的な専門的力量を身につけることができるように、順次性、体系性のあるカリキュラムを編成している。
(1)「教養教育科目」は、本学の学習に必要な基礎的な学力、学習方法の習得を可能にしていくとともに、多角的な視点から専門領域を超えて問題を探究する姿勢を育むことを目指し、学部の教育課程の一部として設置している。
(2)専門教育における「学部共通科目」は、教育発達学および社会福祉学それぞれの基礎理論を学習するとともに、両者を統一する教育福祉学の視点を学べるように編成している。
(3)各学科の専門科目は、基幹科目、展開科目・教職科目、卒業論文に区分され、専門分野の基礎から発展に至るように段階的に科目を配置している。
(4)教育発達学科においては、主に小学校教諭および児童教育関連の専門職を目指す「小学校教育コース」と主に幼稚園教諭・保育士および幼児教育関連の専門職を目指す「保育幼児教育コース」の2コースを設置している。社会福祉学科においては、社会構造や人間理解に関する科目を基盤として体系的に社会福祉学を学べ、社会福祉士および精神保健福祉士の国家試験受験資格も得られるように教育課程を編成している。両学科とも豊かな実践力と科学的分析力・探究力を身につけた専門職を養成できるように、専門科目を設置している。
(5)「愛知地域共生教育」プログラムは、教育発達と社会福祉のみならず、他学科・他学部目における専門科目の履修により、日本と海外の思想、文化や制度を学際的に学ぶことで、人間の尊厳や発達に基づいた価値観を向上させ、地域の教育・福祉の複雑な諸課題について、グローバルで広い、総合的な視野から専門性を発揮しつつ多様な人々や他職種と協働して問題を解決し、探究しようとする力を身につけることができるように、希望者が履修できるように設置している。
学修内容及び学修方法
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教養教育科目
教養教育科目として、「APU教養コア科目」「世界を理解する」「地域を掘り下げる」「社会に生きる」「科学と人間を深める」「APU教養特別科目」を配置している。教育福祉学部では、7科目のAPU教養連携・特別科目のうちから2 単位を卒業必修とし、学際的・問題解決的学びを重視している。 -
学部共通科目
教育発達および社会福祉に共通に必要とされる基礎理論のほかに「教育福祉学基礎演習」「教育福祉学特殊講義」などを設置し、学科横断型の学際的な学びと2学科の学生の交流を進める。 -
愛知地域共生教育プログラム
・5学部構成の本学の特徴を活かした、他学部・他学科連携による横断カリキュラムであり、「多文化共生」「国際文化」「福祉・健康」「教育・保育・心理」「政治・経済・現代社会」「実習」「正課外活動」の7つの分野の中から、学生の進路や希望に応じて身につける強みを選択でき、複雑化する社会課題に対する現実的な対応力を形成する。プログラムに揚げられた科目・活動から、自主的に必要な単位数(合計20単位以上)を修得した者に、修了証を発行し、地域共生の専門的力量を備えていることを証明する。 -
学科専門科目
・学生が所属学科の学問を体系的に学ぶことを通して、教育福祉の専門職に携わるための基礎的知識と実践的な技能を習得し、卒業後には諸問題の科学的な把握の仕方やその解決の方法について専門的力量を発揮するとともに専門性の向上を目指すよう指導する。
・各学科とも、調査・現場学習・発表・討論などのアクティブラーニングを取り入れた、学生の主体性を重視する少人数制の参加型授業を重視する。また、授業時間外での調査や発表準備等のための自主的・主体的な学習活動を支援する。
・ディプロマ・ポリシーと関連する各学科専門科目の具体的なカリキュラム・ポリシーは別表の通り。
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資格・免許
・各学科の履修規程の定めるところにより、教育職員免許、保育士資格、社会福祉士および精神保健福祉士の国家試験受験資格、学校図書館司書教諭資格等に対応した関連科目を開設し、資格・免許の取得と各専門職への修業を支援する。
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初年次教育
・入学当初の履修ガイダンス及び履修相談で、学生が自分の進路を考慮しながら主体的に学修計画を立てれるよう指導援助する。また、カリキュラムの理解を促すとともに、課程外活動に連動する取組として、新入生歓迎合宿、資格・免許及び実習のガイダンス、教育・福祉現場におけるボランティア活動のガイダンス、オフィスアワーなどにより学生の勉学と大学生活をサポートする。
・1年次の「教育福祉学基礎演習」では、少人数に分かれて、文献検索・文献講読・レポート作成の方法など、大学での学びの導入的指導を丁寧に行う。
・授業の内外で、教育福祉現場を実際に見学・観察し、理論と実践を結びつけて考える機会を設定する。
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ゼミ・卒業論文
・3年次からのゼミでは、少人数での討論を基本に、卒論につながる研究課題を見出し探究していけるよう指導するとともに、学生相互の学び合いを支援する。
・卒業論文の作成にあたっては、ゼミの担当教員による指導のみならず、学科として卒論構想発表会、卒論中間発表会、公開口述審査を通して、教員集団による指導と学生相互の学び合いの場を提供する。
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自主的研究・活動支援
・教育福祉関連の学生自主企画研究、ボランティア活動、サークル活動等の自主的な課程外活動を奨励し、幅広い人間関係のなかでコミュニケーション力・組織力・企画力・問題探究力を培う機会を支援する。
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キャリア教育
・1年次から、学部で作成したビデオの活用、卒業生や外部講師を招いての教育福祉分野の仕事の紹介等を積極的に行い、進路についてのイメージを涵養する。
・実習やボランティア活動などは、本人が適性を見極める機会としても位置づけ、専門職としての将来像や専門的能力の育成を支援する。
・「教育福祉研究会実践交流会」等により、主に教育福祉専門職に就いた卒業生のアフターフォローを行うとともに、在学生との交流を図り、専門職への希望を育む。
・専門職の国家試験や各種採用試験を経験した4年生が下級生に向けて行う就職報告会、国家試験対策報告会などにより、就職活動や卒業後の就業意識の形成を支援する。
・大学院説明会、授業への大学院生(TA)の参加、学生と院生との自主的研究活動などを通して、大学院進学への意欲を喚起し、より高度な専門性の習得や研究者としての進路を支援する。また、奨学金や日本学術振興会の特別研究員制度の紹介などを通して大学院での修学を支援する。
学修成果の評価方法
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各授業科目の評価方法
個々の学生の状況に配慮した教育指導を行ったうえで、学部履修規程に定められた基準(A、B、C、D)で評価を行う。評価は、各科目により、発表・討論、レポート、筆記試験、口述試験等多様な方法を用いる。卒業論文については、主査と副査の複数教員による指導に基づき評価を行う。評価の結果は、その後の学生の学習支援および授業改善等に活用し、学生自身がその後の学習活動および将来の進路選択の材料とすることができるよう支援する。
教育福祉学部 アドミッション・ポリシー
1. 求める学生像
現代社会が抱える教育や福祉の問題に深い関心を持ち、地域社会に貢献しようとする高い志と意欲のある人
教育・福祉の専門的知識と技術を学際的に学ぶための基礎的な学力を備えた人
教育・福祉に関わる多様な問題を科学的に把握し、その解決方法を探究する土台となる論理的思考力を備えた人
教育・福祉の専門性を発揮しながら主体的に多様な他者や文化を理解し、協働するための基礎となるコミュニケーション力を備えた人
2. 入学者選抜の基本方針:「求める学生像」に基づき、各選抜試験を行います。
選抜試験種別 | 一般選抜 | 前期 日程 |
評価する能力 | ・大学入学共通テストにより、高等学校卒業程度の基礎的知識とともに思考力・判断力を評価する。 ・個別学力検査により、とりわけ国語および外国語の知識とともに思考力・判断力・表現力等を評価する。 ・出願書類により、現代社会が抱える教育・福祉の問題への関心と修学への主体性を評価する。 |
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評価方法・ 比重 |
【大学入学共通テスト】5教科 5科目 【個別学力検査等】国語、外国語(英語)、出願書類 大学入学共通テストと個別学力検査の比重は5:4とし、出願書類の内容も含めて総合的に評価する。 |
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後期 日程 |
評価する能力 | ・大学入学共通テストにより、高等学校卒業程度の基礎的知識とともに思考力・判断力を評価する。 ・出願書類により、現代社会が抱える教育・福祉の問題への関心と修学への主体性を評価する。 |
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評価方法・ 比重 |
【大学入学共通テスト】5教科 5科目 【個別学力検査等】出願書類 大学入学共通テストの成績を基に、出願書類の内容も含めて総合的に評価する。 |
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学校推薦型選抜 | 県内枠 |
評価する能力 | ・小論文により、日本語の読解力、論理的思考力、文章表現力を評価する。 ・面接により、志望動機、学習意欲、目的意識、高等学校等での生活や活動状況等を評価する。 ・推薦に応じた入学の意志と修学への主体性を総合的に評価する。 |
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評価方法・ 比重 |
【一次】小論文 【二次】出願書類、面接 小論文と面接の比重は学科ごとに以下のとおりとし、出願書類の内容も含めて総合的に評価する。 教育発達学科は1:1 社会福祉学科は1:1 |
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特別選抜 | 社会人 | 評価する能力 | ・適正検査により英語の基礎知識を評価する。 ・小論文により、日本語の読解力、論理的思考力、創造性、文章表現力を評価する。 ・面接により、志望動機、学習意欲、目的意識、教育や福祉に関する知識や適性等を評価する。 ・社会人としての経験を活かして、教育や福祉についての学びを深めようとする意欲や問題意識および修学への主体性を総合的に評価する。 |
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評価方法・ 比重 |
①適性検査[英語(筆記)] ②小論文 ③出願書類 ④面接 適性検査、小論文、面接の比重は学科ごとに以下のとおりとし、出願書類の内容も含めて総合的に評価する。 教育発達学科は1:4:1(小論文を重視) 社会福祉学科は1:1:1 |
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帰国生徒 | 評価する能力 | ・適正検査により英語の基礎知識を評価する。 ・小論文により、日本語の読解力、論理的思考力、創造性、文章表現力を評価する。 ・面接により、志望動機、学習意欲、目的意識、教育や福祉に関する知識や適性等を評価する。 ・海外での生活体験を活かして、教育や福祉についての学びを深めようとする意欲や問題意識および修学への主体性を総合的に評価する。 |
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評価方法・ 比重 |
①適性検査[英語(筆記)] ②小論文 ③出願書類 ④面接 適性検査、小論文、面接の比重は学科ごとに以下のとおりとし、出願書類の内容も含めて総合的に評価する。 教育発達学科は1:4:1(小論文を重視) 社会福祉学科は1:1:1 |
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外国人留学生 | 評価する能力 | ・適正検査により英語の基礎知識を評価する。 ・小論文(日本語による出題および解答を課す)により、日本語の読解力、論理的思考力、創造性、文章表現力を評価する。 ・面接(日本語による)により、志望動機、学習意欲、目的意識、教育や福祉に関する知識や適性、日本語のコミュニケーション力等を評価する。 ・教育や福祉についての学びを深めようとする意欲や問題意識および修学への主体性を総合的に評価する。 |
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評価方法・ 比重 |
①適性検査[英語(筆記)] ②小論文 ③出願書類 ④面接 適性検査、小論文、面接の比重は学科ごとに以下のとおりとし、出願書類の内容も含めて総合的に評価する。 教育発達学科は1:4:1(小論文を重視) 社会福祉学科は1:1:1 |